意味は「お化けのように大きいペンタックス」。
もう、そりゃ、大きい。
非常に重いので素振りするのも「体力」が必要です。
古いTakumarレンズはガラスをふんだんに使用し、おまけに金属鏡胴で非常に「贅沢な」造り。
交換レンズを2本持って〜
とか、かなり「キツイ」。
と、言う事で、体力作りにウオーキングをやり始めています。
バケペンを首から下げてウロウロすると〜
結構イイ運動になります。
腰、肩、首はおろか、腹にも力がww
短小軽薄なデジタルカメラに慣れた体に「喝」を入れる!!
TTLファインダー、135mmマクロ、645用純正ストラップ付き6x7 |
戦後、ブローニーサイズの6x7フォーマットは、レンジファインダーカメラ、2眼レフが席巻しておりました。
そこに突然登場した、一眼レフ。
しかも、システム一眼であったため、交換用ファインダーもラインナップ。
露出計無しの三角ファインダー、ウエストレベルはかなりカッコイイ。
三角ファインダー
ウエストレベルファインダー
TTLファインダーのシャッターダイヤルリングは、無くす前に外しておく。
付けっぱなしに出来ると回しやすくてグーなんですが...。
その時まで、6x6のペンタコン・シックスはありましたが、6x7は他に無く、まさに「ド級艦」。
PENTAXがペンタコン・シックスを意識して作っているのは想像に難くない。
しかし、造りは遙かにそれを凌駕しているのは、周知の事実です。
純正オプションでは、初期型にミラーアップ機構の改造が有名。
中古で初期型を購入する時は、この改造が施してあるかどうかを必ずチェックしましょう。
型式はわりと簡単に見分けがつきます。
前期(1969年〜)は、シャッター下の機種銘が6x7、後期(1989年〜)が67です。
ASAHI PENTAXからPENTAXに変わったため名称変更されています。
実際の設計で最大の難関はあの大きなミラーで、スイングバック式で省スペース化、クランク駆動式による、耐ショック性の対策が施されました。
一般的な中判カメラは、フィルムバックがあり、遮光板を入れることにより途中でもフィルム交換が可能ですが、6x7は構造の単純化による小型軽量化と耐久性の向上のため、ライカ版一眼レフに準じた構造となっています。
最終機種67IIは1998〜2009年まで生産されました。
大幅に設計を変更していますが、詳細は割愛いたします。
PENTAX 6x7のレンズ設計が素晴らしいのは、基本フィルター口径が67mm、と言う事。
純正のフィルター、フードは「バヨネット式」。
これは、フィルターワークを厳密に行うプロカメラマンにとても配慮されていると思います。
基本的な口径が同じって言うのは、フィルターの「共有」が出来る点でも素晴らしい。
フードは専用角形がデザイン、機能ともに最高。
何故かと言うと、ボディ底板とフードの底面が「ツライチ」になること。
床、机等の平面に置いた時の安定が良い。
ボディ、レンズの重量が大きい中判カメラでは「座りの良さ」が撮影時に大切なのは言うまでも無いだろう。
現に、CONTAX D(35mmライカ版)では、ボディのレンズマウント部分に折りたたみ式の衝立が付いている。
標準レンズはTessarだけど、そのまま置くと、前玉の方へ「カクン」と倒れてしまう。
カメラが非常に高価だった時代の、ちょっとした気配り。
現代のカメラにこのような構造は無い。
コストダウンなのかな?
報道、写真館関係は結構このカメラを多用されており、近年のデジタル化の波が、現在の中古市場を形成していると考えられます。
私が学生時代はまだまだ中古価格も高く、手の届かない存在でしたが、近年ではボディ¥2、3万〜、レンズは¥3000〜とか、信じられない価格で流通しており、オススメです!!
また、6x7はかなり長期間製造されたので、タマ数も多いです。
しかし、桁違いに安いのは考え物なので、現物をよく確認してから購入しましょう。
最近は価格の下落が激しく非常に入手しやすくなっています。
逆に、6x7IIの方が少ないような??
さて、実際に構えてファインダーを覗いてみましょう!!
とても広い視野にまたまた度肝を抜かれる。
105mm標準レンズはf2.4なので、まずはソレを試してみましょう。
素晴らしいヌケとピントの合わせやすさ。
レンズ鏡胴のヌルッとしたスムーズな回転。
重く、ストロークの大きい巻き上げレバーでシャッターをチャージ。
「ガシャコン!!」
とても大きい作動音とミラーショック。
「写真を撮っている」と言う「満足感」と「麻薬的な快楽」を伴う一連の動作。
これぞカメラ!
そして、レンズを広角、魚眼へ。
絞りはf4〜5.6くらいになるけど、そんなに見えづらさが無いのに気が付くはず。
(見えやすさには個人差もあります。)
中望遠、135mmマクロ(ブログ最初の写真に装着してあるレンズ)があれば、70cmまでの近接撮影が可能。
慣れてきて、ある程度素早く撮影出来るようになると〜
とても気持ちよくて、あっという間にフィルムを消費してしまうのが「欠点」。
35mm版の古いPENTAXカメラと操作感が殆ど変わらず、取り回しやすい事が原因ですね。
6x7は大きく敬遠されがちですが、中判カメラにおいて、撮影しやすさはダントツと言えるでしょう。
PENTAX 6x7のレンズは日本人気質?タップリでメチャクチャ高性能。
中判カメラの王者と言えば、ハッセルブラッド。
PENTAXは解像度、発色、収差の少なさでは、肉薄しているが、ボケ味のコントロールの部分では今一歩。
むしろシャープネスはPENTAXに軍配が上がると思います。
一眼レフの形態は扱いやすく、低価格で高性能なシステム展開は、まさにPENTAXの独壇場!
6x7について
・レンズ焦点距離・
6x7での長さを半分にすると、35mm版相当の長さになります。55→28mm
100→50mm
200→100mm
実際の撮影ではフィルムの縦横比が違うので、この長さは「目安」と思って下さい。
・フィルム面積・
35mm版の4.54倍。
35mm(ライカ版)は24mmx35mm
6x7版フィルムは、なんと56mmx70mm
・シャッターのチェック・
裏蓋を開け、巻き上げレバー付け根のフィルムカウンターダイヤルの中心を左に回し、「0」以上に進めたまま裏蓋を閉めます。コレで所謂「空シャッター」が切れるようになります。
中古店で検品する時は、許可を得てから行って下さい。
・使用上の注意・
1、ボディ背面、シャッターダイヤル下にシャッターを動作させる、バッテリーチェッカー(白いボタン)がありますが、撮影前に押して、シャッターダイヤル横の赤LEDがちゃんと点灯するか確かめましょう。前出のシャッターセッティングをしておき、フィルム装填前にシャッターが動作するか確認するのが良いでしょう。
2、基本ですが、ブローニーフィルムには、120、220という2つの種類があります。
巻き上げレバー側のボディ側面にあるフィルムカウンターと、圧板をそれぞれフィルムの種類に合わせて切り替えるのを忘れないようにしましょう。
裏蓋には120、220の「表示窓」があり、きちんと切り替えてあるかどうかが確認出来ます。
120で10枚、220で20枚撮影出来ます。
6x7IIはそれぞれ1枚多くなっています。
(コマ送り精度の問題、IIはそれだけ進化している。)
3、フィルムを入れたら、シャッターボタンをロックする、撮影前にロックを外す習慣をつけましょう。
4、TTLファインダーは撮影が終わったらちゃんとOFFにしましょう、電池の消費が防げます。
5、アイレベルファインダーの視野率は90%なので、神経質に気になる◯◯系な人は使用を諦めて下さい。
(ウエストレベルファインダーは100%)
視野率をもっと大きくするには、ペンタプリズムを大きくする必要があり...。
6、B(バルブ)撮影は電池が結構消耗するので注意。
7、TakumarレンズのM、A切り替えレバーは確実に切り替わっているか、良く確認しましょう。
構造上、ロックが外れやすい傾向があります。
M→Aが外れやすい。
8、本体の電池が減ったり、無くなると、ミラーが突然降りなくなります。
本体正面、シャッターボタンの下に黒いボタンがあるので、押すとシャッターが降りますので、「必ず」この状態で電池を交換して下さい。
電池の種類は4LR44。
LR44を4個重ねて使用とか、セコイ事しないのが吉。
9、フォーカシングスクリーンが「暗い」からと言って、社外品に換えてしまうとピントが合わなくなります。
どうしてもやりたい人は、PENTAXで調整して貰うか、自分でやるしかなくなるので注意。
10、6x7を首から下げて望む子供の運動会の撮影は、重くキツイので子供達と一緒になって運動している気分に十分浸れます!!
子供達と一緒に競技へ参加されるご父兄の方々は、日頃の「体調管理」と「鍛錬」を忘れずに行われる事をオススメ致します。
フィルム装填と取り出し
・装填・
1,裏蓋を開き、圧板、ボディ横の切り替えスイッチをフィルムの長さに合わせて120、220のどちらかに合わせておきます。
シャッターダイヤル側ボディ底板にある、フィルムロックキーを起こして回す、オレンジの点を白点にあわせて引くとキーが5mmほど引き出されて固定される。ボディの中に入っている空のフィルム軸を取り出し、巻き上げ軸側のキーも同様にロックを外し、フィルム軸を入れて、巻き上げ側のロックを戻す。
2,新しいフィルムの固定用シールを剥がし、シャッターダイヤル側のフィルムスペースに入れ、ロックを解除し、フィルムを固定する。
3,リーダーペーパーを引き出して先ほど入れたスプルーの真中に差し込む。引っ掛かるようになっているので、良く確認して下さい。
巻き上げレバーを回し、スタートマークをフィルムレールの左手上部にあるオレンジ色マークに合わせてから裏蓋を閉める。
巻き上げレバーを止まるまで数回動かせば、撮影可能になる。
・取り出し・
1,10、20どちらかの枚数を撮影すると、シャッターがチャージしなくなって巻き上げレバーが空回りしますので、3〜4回巻き上げてから裏蓋を開くと、フィルムが巻き上げられているので、ロックを解除して取り出し、フィルムについているテープでフィルムシートを縛り、この状態で現像に出します。
モルト剥がし
しかし...。
そんな6x7も寄る年波には勝てず、モルトが劣化してベタベタになり、フィルムに付着ww
これではマズイので、劣化したモルトを剥がしましょう。
もう、ネバネバしちゃって...。
ボディ側の溝には歯科用特殊器具を使います。
器具の厚さが溝にピッタリ。
こんな感じでベトベトに劣化したモルトが取れます。
端っこも抜かりなく。
古いモルトがドンドン取れます。
勢い余って、カメラ本体にキズを付けないように気をつけましょう。
仕上げはエバンスの先にガーゼを巻き付けて拭きます。
刃の背中を当てましょう。
コンデンサーレンズの回りもベトベト。
アルコールガーゼで拭きます。
ファインダーにも沢山ついています。
エバンスの背をあてて丁寧に剥がします。
こんな感じ。
ハイ、綺麗になりました。
ガイドローラー、圧板、裏蓋の周囲、蝶番部分、等についたモルトを丁寧に取り去ります。
とても綺麗になりました。
いや〜嬉しい。
光線漏れ?
根性があれば漏れません!
(ウソ)
ま、光線かぶりも「味」なので、撮影が楽しみです。
本革ストラップ製作
6x7は純正のストラップが無く、某オクで入手した645用だったので、レザーストラップを「Kabuto Leather Works」さんにて製作して頂きました。
645純正ストラップの肩の部分は幅4cmで3分割され、曲線を描いていますので、それに習って型紙を造り、3mm厚のサドルレザーから切り出します。
6x7はストラップ幅が広いので、645よりも太くします。
ちょっとお買い物へ。
縫いが完成。
染めから続き。
まずは裏面とコバ(革の端)を黒で染めます。
コバ塗り
オールドレザー風にします。
縫い目部分をアンモニアで前処理し、筆で焦げ茶色に仕上げます。
仕上がりのイメージは「木目」で、こんな感じ。
アンモニアで処理をしておくと「ムラ」となり、風合いが出ます。
どんどん塗ります。
クリーム塗り、磨いて仕上げ。
コバも抜かりなく。
完成しました。
6x7本体にマッチして、ど迫力。
肩への負担がかなり軽くなり、ずれにくくなります。
肩かけしてもイイ感じ。
ギャラリー
6x7がいかに巨大なカメラかお分かりになられましたか?
35mmの4倍のフィルム面積に表現される緻密な写真世界は、貴方の♥を掴んで離さないでしょう。
実際にフィルムを見ると〜
結像部分の描写が凄まじく精密なのが分かると思います。
デジイチと言われる、35mmフルサイズ?
ありゃ、「玩具」だな〜
って言うのを体感できると思います。
使いこなすにはまず、「体力」と「忍耐力」が必要ですが、フルマニュアルの撮影は「快楽」を伴い、病みつきになる、「麻薬的」な魅力に満ちあふれています。
現在、「ウェイトトレーニング」にて使用もしており、頼もしい相棒です。
警察官から職務質問を受けないか?
ドキドキしますww
私の年齢とあまり変わらないカメラですが、元気で堅牢。
皆様にも是非、一度試して頂きたいと思っております。
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