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2013年8月9日金曜日

Canon 50mm f1.2 (Sマウント) クモリ取り整備

今回レンズを整備させていただいた、カメランドさんに深く感謝いたします。

広島でゲットした激安の超レア玉。

何故安いのか?
それは曇っているから。
レンズの外周に水滴のクモリが見えるでしょうか?

このクモリは、このレンズの持病らしく、保存状態が悪いと高率に発生するようです。


これから分解して清掃しますが、あくまで自己責任でお願いいたします。

素人が行いますので、不十分な点が多々あり、初期の性能を発揮出来ないばかりか、かえって悪くする可能性もあります。
あくまで自己責任でよろしくお願いいたします。


最初のネジは、ヘリコイドの分解です。
後玉の脇のネジを、カニ目レンチで外します。
ちなみに、組み立てはこの逆ですのでよろしくお願いいたします。

いったん緩んだら、竹串、爪楊枝などで引っかけてクルクル回しましょう。

レンズに傷がつくのが防げます。
個々のレンズを外す時も同様で、緩んだら大きな器具は使わないようにしましょう。
大切なレンズに傷がつくのを防げます。

こうやって分解されます。

ガウス型のこのレンズは、レンズ郡が一体となって動くため、ヘリコイドとレンズに別れて分解されます。
右側がヘリコイド、中央、真鍮のパーツ上方にある、黒い出っ張りが、後で写す切り欠きに嵌まります。

後玉の分解。

必ず、専用の工具を使いましょう。
いとも簡単に外れます。
最後尾のレンズが外れます。

後郡前方のレンズを取り外す。
カニ目レンチは幅をきっちり合わせてから使います。
ちょっとでもずれていたり、固定が緩いと、レンズに傷がつきます。

ちょっと緩めたら、竹串等でさらに緩めましょう。

クモリはこのレンズにあります。

必要な分解が出来ました。

これから清掃いたします。
真ん中、黒いリング状のモノ達。
右下がヘリコイドを押さえるリング(最初に外す)
左下が後郡前方のレンズ(今回整備)
上が最後尾のレンズ

はい、かなり曇っています。

これは水滴なので、レンズ内部の湿気が付着?

綿棒でシコシコ磨きます。
かなり綺麗になりました。
軽く擦って落ちる程度のクモリを除去出来る事、これを目標にしました。
素人がこれ以上やると、コーティング、レンズに傷をつけるだけと思います。
ちなみに、このレンズは合わせガラスになっており、剥がせばもっと綺麗になるかもしれませんが、多少のバルサム切れは、撮影に殆ど影響が無いので、弄らない方が良いです

ついでなので、羽油の一部をクリーニング。

あくまでも一部です。

どうせまた水滴がついていずれは曇るレンズなので、あまり気にせず傷つけない、壊さない」という事に集中して修復を進めます。


レンズを全て組み付けたら、ヘリコイドを戻しますが「コツ」は、ココの切り欠きとヘリコイドの出っ張り(上の写真を参考に)を合わせる事。

きっちり嵌まったら、あとはヘリコイドを押さえる円柱形の部品をねじ込んでおしまい。

水滴のクモリはほぼ消えました。

外周には僅か残っている気がしますが、撮影には殆ど影響が無く、下手にやってコーティングが剥がれては元も子もないので、やり過ぎは禁物。
この写真ではよく分かりませんが、僅かなクモリ、バルサム切れ、カビ?のような汚れはありますが、傷はありません。
あまり神経質になりずぎない方が良いと思います。
世界遺産級のお宝です。
末長く、子々孫々に伝えられるような整備を心がけましょう!

このように、整備は非常に簡単です!!!

水滴の除去だけなら、自分でメンテナンス出来ます。

初期の性能を完璧に再現するには、研磨、再コーティング等、プロにお願いしましょう!!



レンズの概要こちら
描写の検証こちら
絞りリング調整こちら


クモリがほぼ無くなったレンズが表現する世界は??

Summarit、Summitarといった、超癖玉とは一味違う世界。
色々と条件を変えていないので、真の描写とは言えず、あくまでも「傾向」としてご理解下さい。
いつもの最強のレンズチェッカー、GXRでチェックします。


今回の整備でお世話になった、カメランドでの一コマ。

ピント面よりも、背後のボケを検証しております。
以下は全て開放の描写となります。
(クリックすると拡大)

収差が大きく、好みが分かれる描写と思います。

この後、店にある、ある一本のレンズが気になりました。



超レア玉の85mm f1.9です。
コイツもかなり面白いです。


Canonだから?
同じような傾向なんですね。
現代のレンズでは得難い描写ではないかと思います。
最新版のCanonを持っておりませんので、分かりません。

はい、すいません、ピンボケです。
最短近接距離での撮影が出来ませんでした。

運転しながらでしたので、これもピンボケ。

これも運転しながら。
ノーファインダーでこんなのが撮れました。

妻の足。

ボケの感じは悪くないと思います。
ピント面はシビア過ぎて、GXRでもかなり難しいです。
このボケ方も好き嫌いが激しい?

ピント面からの崩れ方が面白いです。

配光をもう少し考えた方が良いですね。

そう思って、同じCanonの25mm f3,5を撮ってみました。
前ボケの崩れ方もスゴイですね。

ピントは非常に分かりにくく、難しい撮影でした。
実際に使用するには、少し絞り込んだほうが実用的でないかと思います。


整備後すぐの撮影でしたので、癖を全て引き出せた訳ではありませんが、かなり面白い玉ではないでしょうか?
ボケはべたっとして、悪く言うと平面的。
ここいらが好き嫌いの分かれるところではないかと思います。
解放時の甘さが絞り込む事で、どこいらへんで消えるのか?
興味は尽きません。

昔のCanonは超個性的な写りをしますね。
Leicaと比べると評価が低いような?
レンズの作りも日本製らしい緻密さに溢れています。
癖を生かした写真を撮るのは両者とも難しいです。
もう少し検証してみて、またアップしてみたいと思います。
クリアになったこのレンズ、Leicaと比べてもひけを取らない性能?
同等品を持っていないので分かりませんがww
私のような凡人には勿体ないレンズと思いますが、死蔵する事なく使い倒します。


ごく簡単に整備出来る事が分かってしまえば、中古価格が高騰するでしょう。
しかし、保存に少しでも不備があれば、いずれ必ず曇ります。
末長く使うためにも、お口のメンテナンスと同様に、方法を知っておく事が高いQOLの実現だと思い、公表いたしました。



分解により、初期の性能が大きく損なわれる場合があります。

メンテナンスは、あくまでも自己責任でよろしくお願いいたします。


レンズの概要こちら
描写の検証こちら
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2 件のコメント:

  1. お久しぶりです、LeicaRepairServiceの松下です。
    整備も描写も大変参考になりました。
    しかし、F1.2のボケは凄まじいですね。

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    1. お久しぶりです、お世話になっております。
      参考にして頂き、有り難う御座います。
      素人整備なので、慎重に作業されますよう注意して下さい。
      あれからf1.2は程度良の純正フード付きを激安でゲットしました。
      ブログのレンズは兄貴が使って居ます。
      古い設計で、収差が残っているのもイイ味になっていますね。

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