中尾歯科医院HPはこちら

2014年4月30日水曜日

Super-Takumar 1:4.5/20 1:2/55、ASAHI PENTAX S2 と SV

4月27日は名古屋でセミナーに参加。
セレック」についてのお勉強。
翌月曜日は「トップカメラ」にて、中古のSuper-Takumar 1:4.5/20を安くゲット。

安かった理由はご覧の通り、レンズ外周のバルサム切れ。

レンズ内にゴミ、レンズのキズ、クモリ、コーティング剥がれはありません。

レンズの外観も綺麗


しかし、鏡胴のカバーのネジが緩んでスカスカww

グルグル回ります。
あとでキッチリ締めましょう。

レンズ構成図


山口へ帰る前に、味噌カツ


赤味噌ラガー


これが、でらうんみゃあ(ブチ旨い)!!

味噌カツはご飯が進む。
ビールは濃厚!

本数限定でコレをお土産に。

結構重い...。
手が痛くなります。


帰りに「カメランド」さんへ寄り、名古屋のお土産を〜

ソースは重いので、「わらびういろう」。
いやはや、コレも絶品

んで、レンズに合わせたボディが欲しくて、物色。

壊れた黒S2、黒SVがあり、お土産のお礼にと、頂いてしまいました!!
有り難う御座います。


黒S2

黒SV

ボディには凄まじい汚れ、シャッター不動。

完全なジャンク
院内のインテリア

折角だし、お礼と言ってはナンですが、以下の2物件を購入させて頂きました。


Super-Takumar 1:2/55アトムレンズ。

レンズ銘が一部オレンジで塗られ、f2と言う非常にレアなレンズ。
後玉に凄まじいカビw
もともとS2につけて売られており、輸出用のS1aとのセットでも売られていたようです。
1967年のカメラ総合カタログには、¥11.500と載っているらしい。
後のSMCよりも遙かに造りがイイ。
レア過ぎてあまり情報がありません。

そして、

1:3.5 24mm専用角フード。
実は、20mmと口径が同じなんです。
使用感バリバリ。

しかし、購入したものも激安ジャンク...。

すいません、いつもこう言う物件ばかり買って...。


カメランドを出た後は、山口市内へ。

車の中で子供達がカメラを弄る〜
手が汚れるww
まあ、免疫がつくかと...。

家に帰り、ボディの汚れをウエットティッシュで...。

落ちない!!
兎に角、ゴシゴシ!!
擦りまくる!!
何十年と言う年月でついてしまった垢を落とします。

なんとか落ちて黒光り。

銀はあっても黒はなかなか見ません。
2台同時黒ゲットなんて、こういうチャンスは滅多に無い。
(コレばっかw)

それではお待ちかね?

のギャラリー
製造の古い順で

S2について。

Kの後継機種、廉価版。
初期型はシャッターが1/500まで。
後期型で1/1000となる。













シャッター不動、なんとも悲しい...。

巻き上げてシャッターを押しても、幕が最後まで動かず、ミラーが降りない...。
裏蓋開けて、よく見ると、先幕が最後まで動かない状態だったので、爪を引っ掛けて動かしてやると、シャッター幕が動いて、ミラーが降りた!

よっしゃ〜


低速シャッターからどんどん動かす。

徐々に動くようになっている。
高速シャッターもだんだんと動くように〜

調子に乗って、リハビリを続けると...。

動くようになりました!
パチパチ!



子供達に頼んで、どんどんリハビリ。
しかし、飽きちゃって、DVDを見たいとww

しかし、巻き上げていくと、下の写真のように、後幕上のリボンが切れているか、外れているようです。

嗚呼...。



SVについて。

アサヒペンタックスS3の後継機。
シリーズで初めてセルフタイマーが搭載された。
名称にある"V"はドイツ語でセルフタイマーを意味する"Voraufwerk"より由来する。
また新たに裏蓋の開放によってリセットされる初の「自動復元式フィルムカウンター」が搭載された。
更にファインダースクリーンの視認性も向上された他ミラーボックスの全面的改良、部品の高品質化などが施され、見えない点でより使いやすい製品となった。
これによって内蔵TTL露出計が搭載されていない以外は、ほぼ現代のカメラの最低基準を満たすこととなる。
次はSPになるので、このデザインはこの機種が最後になる。

S2でシャッターの動きがかなり分かったので、コイツもリハビリしてみる。

すると、ミラーが降りた!!

嬉しい!

神の降臨
やっと覗けたファインダーはS2よりも綺麗
恐らく、ずーっとミラーが上がったままだったからでしょう。
しかし、何度動かしてみても、後幕が出てきません...。
完全にリボンが切れているようです。

残念。




















2台とも古いPENTAX黒ボディ独特のヤレ方がステキです。

S2の方が若干、塗装のヤレが少ないです。
デザインはAPの延長線にあり、クラシック。

でも、この感じでデジカメだったら...。

とてもイイと思う。

ま、電池を使わないカメラなので、何十年経っていても動く訳で...。

2台とも修理して子々孫々に伝えたい。
S2は子供達に渡して、シャッターのリハビリをやってもらっています。
構造が簡単らしいので、自分で直すのもアリですね。

レアな黒いボディー2台とレンズ2本のご紹介でした。


名古屋では美味しい料理、お酒、そしてすばらしい人との出会いがあり、7月(またか!)にも行くのでとても楽しみです。



当方の所有するPENTAXのM42マウントボディーは、全て黒になりました。


パンケーキ魚眼もかなりステキです。

年代順にPENTAX M42黒ボディーを並べ、6x7と645を追加。


黒SPについてはこちら

皮剥がれ修理についてはこちら
黒SPギャラリーはこちら
HONEYWELLはこちら
SV(銀)についてはこちら





2014年4月15日火曜日

Summar f=5cm 1:2 整備 Nooky

一昨日(12日)に「コシナ研究会第二回広島大会」が広島シュラトンホテルにて開催されました。
トーマス青木氏、兄貴と3人で、楽しく研究、研鑽。



その日...。
私からPENTAX SL(純正露出計付き丁髷仕様)を差し上げて、これからM42マウントレンズを楽しんで頂こうと言う魂胆。

また青木氏の方はSummarを入手されて、困っておられるので、相談に乗っておりました。
問題は
1,絞りリングがほぼ固着している。
  (ベンジンで対処され、少し動くようになっていた。)
2,ヘリコイドが重い。
  (未解決)

この物件見せて頂いたら、確かに、その症状。
「簡単に直りますよ」とお伝えすると...。
「差し上げますので、使って下さい。」

本当ですか?!!

有り難く頂戴させて頂きました。

お礼にTakumar 35mm f4(超劇レアレンズ)と、Summitar用UVフィルター(新品未使用)をお返しとして差し上げました。

その日の研究会は大いに盛り上がり過ぎて...。
M42マウントの「Rollei Distagon HFT」を会場に忘れてしまいww
青木氏が確保して下さいました。
翌日広島駅前の中古カメラ屋巡りの時に、持ってきて下さり...。
何から何まで誠に有り難う御座います!!

はい、コレです。
戦前、ノンコート。
残念ながら、前玉に拭き傷がかなり付いています。

絞りは特殊な6角形。

Summarは1933年に発売されたライカ初のハイスピードレンズ。
ベレク設計だが、前玉に柔らかいレンズを入れて、本人も失敗だったと話している。
価格が低い設定だったので、とにかく売れたらしい。

現代からすると、f2ってハイスピードじゃないかもしれないけどね。
本当にレンズが柔らかく、前玉にキズが入っているものがほとんどらしい。
発売当初はあまりにもボケボケなので、評判が悪かったようです。
写してみましたが、レンズ自体か前玉のキズ?
とにかくフレアが多く、トロトロ。
解像度」重視の現代のレンズよりも遙かに面白いと思うけどな〜

シリアルNo,156000〜540000
初期は沈胴、後に固定鏡胴となります。
その形から「ひょっとこ」とか呼ばれるらしい。
数が少なく、超レア珠。
沈胴の方がコンパクトでエエと思うけど...。
専用の角フードが超イカス。
Summitar用もカッコイイ。
欲しいけど高いので買ってません。

読み方は「ズマール」、「ズーマー」とか?
一番最初は、「サマー」って読んじゃってw
この頃はまだやたらと「Summ」がつくレンズが多くないので、良い時代だったのかな?
ライカには「ズマ、済み」とか言う読み方多いよね。

そろそろ整備の話へ。

まずは絞りの固着した油をなんとかします。

グリグリやって、何の抵抗が無いようになるまで絞りリングを動かします。
何故ユルユルにするのか?
理由はまた後で。

ストッパーの油も固着しています。
動きが渋い。

アルコールガーゼを隙間に入れ込んで綺麗にします。

レンズ後方のピンのネジと、台座部分にはとくに油が付着しているので、丁寧に取り除きます。

ピントリングのチューニングは、M-L変換リングをつけて、リアキャップ被せてやると楽です。

カニ目の切り欠きも綺麗にします。

レンズのバヨネット?
ココもかなり汚れております。

エバンスにガーゼを巻き付けて隅々まで綺麗にします。

はい、こんなに綺麗。

クリーニング終了し、かなり綺麗になりました。
このレンズ、実はちょっと凝っていて、上下左右の矢印がこの位置に来ると、鏡胴がロックされるように出来ています。
バヨネットの切り欠きとかみ合う部分の大きさを変えて、一ヶ所でしか嵌合しない構造にしてあるんですね。
イチイチ芸が細かい。
ヘリコイド部分の角が丸く仕上げられており、使っていて手触りが良いです。
意味も無くピントリングを回し、鏡胴のピストン運動をしてしまいます。

また、このレンズにはNookyと言う「悪魔のアクセサリー」?
があります。
以前、Summitarとほぼ同時期にゲットしたもの。
(Hektorにも使えます)
装備することにより、最短距離が1mから45cmに短縮されます。
一眼レフで言うところの、「ヘリコイド接写リング」。
コレについて、くわしくはこちら

はい、ちゃんと嵌まります。

llfに装着!
バッチグー!

で、絞りリングをユルユルにする理由は、Nookyに装着すると、絞りリングが回しづらくなるので、緩い方が使い勝手が良い。

今回は比較的程度が良かったので、簡単な整備で終了。

ちょっと撮影してみると、何だかNiccaに似ているような?
でも、あっちよりボケは強いけど、空気感は流石、ライカ。
色乗りはちょっとさっぱり気味。
フレアが凄まじく、光線の向き、強さには気を遣います。
グルグルボケは少ない。
Summitarよりも少し暴れます。

Nookyをつけると、どういう世界が広がるのか?
とても楽しみです!

青木氏に感謝です。