2014年4月1日火曜日

YASHICA NICCA YF ダブルネーム FUJINON 付き

戦後の日本には、「ニッポンカメラ」と言うメーカーがありましたが、「ニッカ」となり、「ヤシカ」へ吸収され、事実上消滅してしまいます。

このあたりは、こちらへ。


その時に「ヤシカ」から「ニッカ」の名前もつけて発売された、「YF(ヤシカフェアウェイ)」と言う貴重なカメラがありました。
この機種は、ニッカ3Lを改称、改良され販売。

今回は信じられないような破格の値段で入手出来ましたので、ご紹介いたしたいと思います。

FUJINON L 1:2.8 f=5cm

このレンズは純正の組み合わせではありませんが、この状態で入手。
(全身もの凄くキタナイ)
要するに、超レアなボディーとレンズのセット。
あり得ない組み合わせ?
レンズについてはこちら


ご覧の通り、「YASHICA」と「NICCA」になっています。


それでは細部をアップしていきます。


非常にキタナイのですが、入手時点での状態なので、ご了承頂きますよう、よろしくお願い致します。


診療用のグローブを装着したのは、言うまでもありません。


ファインダー部分には、大きく前方に張り出した「日差し」が造形されています。

天板部分には「YASHICA」。
ファインダー視野は、全体で35mm、太い大きい枠が50mm、小さい枠が90mmとなっており、
パララックス自動補正されます。
Lマウントなので当然ですが、視野枠の切り替えはありません。

YASHICA YF
ん?
シリアルナンバーがww


スローシャッターの上に「NICCA」。


マウントはL39ライカ互換スクリューマウント。

もう、マウントの周囲は訳の分からない汚れ...。

M3を後ろから。

はい、モロパクリ
裏蓋の構造、跳ね上げ、クリソツ
初期型M3の様に、ボールベアリングでのロック式。

皮の端っこがかなりキタナイ。

M3っぽいのに、フィルムカットしなきゃいけないのが侘び寂び。

ボディー背面はM3と同様に外せます。
仕上げ、動作、パーツの合いはかなり高レベル。
シャッターは布幕、横走り。
また、フィルムを通した形跡が殆どありません。

裏蓋下部には跳ね上げ用の切り欠き付き。

このへんの造りは流石、日本製。

軍艦部分

シャッターは2軸。
フィルムカウンターはマニュアル
赤い点のボタンは巻き戻し。
巻き上げレバーは軍艦上では無く、背面にあります。

あまりにもキタナイので、クリーニングしていきます。

今回、消毒用アルコールを主に使用。


日差しの下はかなり...。

とてもキタナイ。
クリーニングは抜かりなく。

はい、努力の甲斐もあって、かなり綺麗になりました。
マウント部分は殆どキズが無く、レンズを交換した形跡がありません。

スローシャッターダイヤル部分のキズが惜しまれます。

軍艦部分もかなり綺麗になりました。


やっと素手で触れるレベルに。

メッキのヤレ、当たり、塗装剥げの殆どない、非常に綺麗な個体である事が判明!!

レンズも磨いたらこのように、かなり綺麗になりました。
前玉にわずかキズはありますが、カビ、曇り無し。
絞りリングの動きは良好。
その代わり、ヘリコイドは油が抜けてスカスカ
鏡胴の汚れはソレだと思われる。
私は軽めがスキなので、全く問題なし。

届いた状態を見た時は、あまりの汚さに唖然としましたが、クリーニング後の美しさに惚れ惚れ。

スローシャッターは、こういうカメラにありがちな粘りがあったので、リハビリ。
結構快調に動きます。

意外に大変な?
フィルム巻き上げ。


よいしょっと!!

こんなことろまで動きますww
巻き上げの回転角度はもう少し小さい方が使い易いと思われます。


でも、非常に美しいボディーラインを持つカメラです。
おまけ?
でついていた、フジノンのコーティングも素晴らしい。
セルフタイマーが無くて、シンプルなのもグー。

「YASHICA」、「NICCA」、「FUJINON」のトリプルネーム。


純正Niccaと

もう、グッと来る格好良さ。

フードの曲線もエエ。


フードとレンズをグッと締め込むと、ロゴの全てが揃う、非常に呑める状態。


ニッカ純正レンズについてはこちら


それでは、色々なレンズを装着して、ギャラリー。


Leitz Elmar f=5cm 1:3,5

あの、エルマーも入っちゃいます。

勿論、距離計連動。

わざと?
ギリギリ!!

もう、安定の格好良さ。

IIfにLeicavitを装着すると、高さがほぼ揃います。


本革ストラップも試す。
カブト・ワークスさん製作。
非常にイイ感じです。
スリットフード付きFUJINON。

フード無し。


スリットフード付き


ラッパフード付きフジノン

Nikkorも試す。


ある意味純正な組み合わせ。


Jupiter3スリットフード付き。




W-KOMURAもイカす。


フードつき。


Canon 35mm f:2.8


Canon 25mm f:3.5


Rollei Sonnar 1:2.8 f=40mm HFT


フォクトレンダー(コシナ)フードをつけて、4ネーム変態仕様。


Canon 50mm 1:1.2






このレンズはもう、ギリギリ!

Summitar f=5cm 1:2


なんと、ヌーキーがついてしまう。


Canon VTは無理。
素晴らしいボディです。


露西亜レンズ
オリオン

露西亜レンズ
ルサール

ボディを構えて、この部分を触るのが気持ちイイ。


いかがだったでしょうか?

高度成長期の日本が生み出した伝説のカメラです。
バルナックライカにそのままM3チックなファインダーが乗っているように見え、後ろからはまんまM3だったりしますが、オリジナリティー溢れる造形、機構。
かなり呑める逸品。
NiccaのL3が欲しくなってしまうと言う、最大の欠点も発見...。

一つ残念なのが、ファインダーにカビが発生していて、緑色になってしまっている事。
勿体ないのでいずれは修理したいと思います。


綺麗な状態であれば...。
ボディだけで...。
まさかのNicca純正レンズ付きだったら...。
恐ろしい値段にww
フジノンだけでも相当な...。
見掛けたら即ゲットの、超お宝カメラ&レンズの紹介でした。







1 件のコメント:

  1. ヤシカYFもいいですね!スクリューマウントのレンズ群もなかなかいいです。ライカに追いつけ追い越せの時代の日本の技術者の思いが詰まっているようです。M3の出現で多くは消滅してしまったのが残念です。

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